当時、店長を任されていたのですが、売り場の発信力に課題を感じていました。会社としては女性客や若者を顧客層として広げていきたい。でも売り場では展示車によって訴求力の品質が揃ってなかったり、ポップが付いている車と付けてない車があったりして。とにかく売り場に統一感らしさが全く無かった。ポップの内容にしてもカタログから専門用語をそのまま書き写すだけだったりとか。
当時、来店される女性客には「スマアシ」とか「エコアイドル」と書かれたポップは全然伝わってなくて。それでも「わからないことはスタッフに聞いてください」というスタンスでもいいかなと思っていたんですけど。でも、敢えてわかりにくい用語を並べる展示場って顧客満足度としてはどうなんだろう?と。疑問を抱えたまま他店に足を向けるお客様も少なからずいるんじゃないか。今のままでは悪くもないけど良くもない、というのは薄々感じてました。
まず現場の時短化に繋がるという目的でパソコンから作成するポップサービスを利用したのですが驚くほどお客様の反応が変わりました。お客様の方から声をかけられることが多くなりましたね。魅力が伝わることでお客様が購入された後の姿をイメージできるのだと思います。また今までは売り場作りに時間がかかっていて、業務が忙しくなるといつの間にかやらなくなる、の繰り返しだったのですが、定期的に季節に合わせたプライスが簡単に作れるので現場はとても助かっていますね。
どこも同じだと思いますが店舗の近くには新車ディーラーや大手競合店がひしめいています。そのなかで自社としての「独自性」をいかに確立し旗を立てていくか。それが戦略であり私の役割です。そんな時、エアプラで自社ブランドを最大限活用することで他との差別化を図り、新規顧客がお店に足を向けやすい安心感を売り場でも作っていく必要がありました。
今までは3店舗がバラバラでした。整備工場と売り場のカラーが違いすぎて自社の独自性をいかに確立していくかを考えていた時期でした。そんな時、「エアプラ」「女子POP」を知りました。いままで連休前や季節イベントでも全店統一感が図れなかったのですが、利用後は現場が自分たちで店づくりに動き出しました。定期的に季節イベントを演出するデザインや「モービルハウス」のプライスが展示場に広がるのを見て(これは売れる)と直感しました。印刷されるポップを見て顧客目線に立った伝え方や工夫の大切さを学ぶ社員教育と思っています。
毎月の企画を取り入れることで現場が学び、結果として昨対比150%と大きく売上を伸ばすことができました。結果的にモービルハウスの「独自性」を確立していると思います。これからも地域に根ざした店づくり、人づくり、顧客づくりを目指していきます。
【取材後記】
近隣に新車ディーラーや大型FCも出店している車販ストリートでしたが、雪の残る富山でも一際目を引く展示場でした。ここまで売り場努力の違いを見せつけられると昨年対比150%の理由に納得させられました。